「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)
Q.外向型の強みは何ですか?
――私はどちらかというと外向型なのですが、内向型の人からみた外向型の強みとなる特徴があれば教えてください。
行動が早く、マルチタスクができる
ジル・チャン氏(以下、チャン氏) 私が外向型の人を見ていて、とくにいいなと思う特徴が4つあります。
まず1つ目は、誰とでもすぐに仲良くなれることです。たとえば、初対面の人とでもすぐに意気投合して、短い時間で友だちになれるのは外向型の人の強みだなと思います。
2つ目は、マルチタスクができることです。外向型の人は2人で話していても、すぐに違う人とも話そうとしたりしますよね。これは私にはない能力です(笑)。
3つ目は、自分から他人に働きかけられることです。たとえば、私の外向型の友人は理由もなく電話をかけてきて、おしゃべりをすることがあります。私は親密な友人に対しても、特別な用事もないまま電話をかけることはできないので、自ら行動を起こせる能力をうらやましく思います。
「すぐやる人」は、失敗についてだらだら悩まない
チャン氏 最後に、すぐに意思決定ができることです。私はいつも考えすぎて優柔不断になってしまいますが、外向型の人はとにかく意思決定が早い!
なんでも思いついたら「すぐやる」という人がいますが、失敗を恐れずに決断をするので、考えを即、行動に移すことができますよね。
私は内向型ですが、だからといって外向型の人が苦手だと感じたことはありません。『「静かな人」の戦略書』にも、「多くの内向型の人たちが、最高の友人や同僚は外向型の人だと語っている。」と書きましたが、彼らは内向型にない魅力的な能力を多く持っています。
※本記事は、『「静かな人」の戦略書』の著者に話をうかがったものです。