「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
出不精な親に、健康のためにも外出してほしい
「どこか遊びに行こうか? 一緒に行くよ」。出不精な親が気晴らしになればと気遣い、外に連れ出そうとするときのひと言です。子どもならではの愛情が感じられる素敵な声かけだと思います。このひと言ですが、さほど問題がないように思えます。
しかし、よくよく聞いてみると、やや引っかかるところがあります。それは「しょうがないから付き合ってあげるよ」と感じられるところです。やや上から目線に感じられませんか。
皆さんが、大好きな人をデートに誘う場合、こんなふうに誘いませんよね。もしも、こんなふうに言われたら、相手のことを「えらそうな人だな」と思うでしょう。
皆さんが親の健康を気遣って発した言葉も、言い方ひとつで誤解されてしまいます。もったいないですよね。