「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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高齢者で家がゴミ屋敷になってしまう人は少なくない

 これまで数千件のお宅に「訪問リハビリ・介護」で伺いましたが、足の踏み場もないほどゴミが山積みになっているお宅は少なくありませんでした。

 皆さんも実家がそのような状況だったら、「足の踏み場もないじゃない。なんでこんなに散らかしているの?」と思わず言ってしまいますよね。

 しかし、こんなときに親を責めるようなモノ言いをしても、問題解決にはつながりません。なぜなら、子どもにはゴミに見えても、親にとっては「宝物」に見えていることがあるからです。

 訪問リハビリ先で「ティッシュ箱」を大事に取っている方がいました。その方に「これ、捨てていい?」と聞くと「ダメ!」と返答がありました。どうしてダメなのか聞いてみると、次のように教えてくれました。