「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。
高齢の親の言葉に、カチンときてはいけない
本書では、親が高齢の場合、親子の関係は逆転していると考え、子どもをうまく導いていってあげるような感覚で接することが大事だと繰り返し書いています。
しかし、それが難しいという人は多いでしょう。「結局、こっちが全部ガマンしないといけないの?」と。
結論から言うと、ガマンするというよりも、受け流す感覚がいいと思います。要は、同じ土俵に上がらないということです。同じ土俵に乗っていると互いに押し合うことになりますが、土俵に乗っている親を俯瞰で捉えてみると、ひどいことを言われてもダイレクトに届かないので、あまり腹が立ちません。
「あんなこと言ってるわぁ。前頭葉が老化してるから仕方ないな」という感じで、受け流しやすくなります。
とはいえ、やっぱりカチンと来ることもあるでしょう。
私も何度もカチンときて、いきなり感情マックスで言い返してしまい、たくさん喧嘩をしてきました。
そんな経験を重ねるうちに悟ったのが、あるひとことを入れることの大切さです。
決裂を防ぐ「最強の枕詞」
「お父さん(orお母さん)の気持ちはわかるよ……」
このひとことを最初に入れるだけで、その後の展開は激変します。どんなに暴言を吐かれたとしても、まずは共感する。そして共感しつつも、やるべきことをきっちりやっていく。それが本当に大事。
実家を片づけるときにも、この枕詞をつけることで、無用な決裂を防ぎ、自分のやりたい方向に持っていきやすくなります。仕事と同じだと思って割り切っていきましょう。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。