衣替えのように
暮らしを変えられる製品を提供
衣替えをするように、気軽に自分で「暮らす」を変えられるプロダクトを提供していく。そのミッションの下、「2×4材」を活用したインテリアブランド「LABRICO」、突っ張り棒を「暮らしを彩る一本の線」として再定義した「DRAW A LINE」に続き、新たに発売したのがAIR SHELFだ。
最大の特徴は、柱を天井と床でつっぱり、後から棚板を付けることで、壁を傷つけることなく、好きな高さに棚を取り付けられること。くぎなどが必要な壁付けの棚の「賃貸住宅では使えない」「ライフスタイルが変わった際に組み替えられない」といった課題に対応し、かつ棚板で一定の重量があるものを軽やかに壁に設置できる新しいタイプの棚だ。
竹内氏おすすめの活用法は「アートを飾る」こと。作家の感性が詰まったお気に入りのアートを愛でることで、新しい着想を得ることも多いという。
こうした突っ張り棒で培ってきた技術を生かしながら、デザイン性と個性あふれる製品を生み出す背景に、コラボレーションの力がある。AIR SHELFは世界的なデザイン・イノベーション・ファーム「Takram」と協業。前述のDRAW A LINEもプロダクトデザインを手がけるクリエーティブユニット「TENT」との協業によって生まれ、「当初は“オワコン”と考えていた突っ張り棒の価値に気付くとともに、暗黙知化していた当社として目指す方向性の明文化にもつながりました」と竹内氏は言う。
社会全体で人材をシェア
協創により成長を目指す
事業環境が変容する中、新しい事業・製品の創出は多くの企業にとって喫緊の課題だが、リソースに限界がある中小企業にはハードルが高い。竹内氏は、人材の採用についても、「社会全体で人材をシェアしていくような考え方で、理想のチームを目指しています」と言う。24年6月には、人事や組織開発を担っていた社外メンバーを社外執行役員に登用した。
同社ならではの技術や知見を生かした工事不要の新事業「暮らすがえリノベーション」でも、整理収納アドバイザーなどの外部のプロと連携し、推進していく構想を練る。
今後も多様な「暮らすがえ」のニーズや社会課題解決に向け、「商品や体験のバリエーションの拡大を目指してまいります」と竹内氏。さらに米国を起点に、海外にも同社がデザインする「私らしい暮らし」を発信していく構えだ。
(「しんきん経営情報」2024年10月号掲載)
従業員数:70人
所在地:大阪府大阪市西区江戸堀1‐22‐17 江戸堀イーストビル4階
電話:06‐6228‐8986
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