製袋業から物流トータルコーディネートへ、4代目はフラメンコダンサーから転身

――御社の事業内容を教えてください。

高木 ひと言でいえば「現場の物流デザイン」です。企業向けに包装提案から現場改善提案、物流支援まで物流に関するトータルコーディネートを行っています。

製袋業から物流トータルコーディネートへ、4代目はフラメンコダンサーから転身代表取締役社長高木亮太氏。1985年富山県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。フラメンコダンサーとして2009年に「第5回CAFフラメンコ・コンクール」で優勝後、スペインで2年間プロダンサーとして活動。帰国後、11年に父が経営するTSKに入社。ベトナム工場を立ち上げた後、22年代表取締役社長に就任。

――具体的にはどんなことを?

高木 例えば、Tier2の自動車部品メーカーが開発した新部品を、Tier1のメーカーに供給するとします。そのとき、輸送時の接触による破損を防ぐためにはどんな包装方法や運び方が適切か、複数ご提案します。

 既存の包装材の組み合わせ提案で対応できない場合は、部品の形状に合わせた真空成形トレイや、発泡材やパルプモールドなどの緩衝材などを3D技術で試作します。試作だけでなく量産も可能です。協力会社で作るものも含め、扱っている包装材の幅広さでは日本屈指と自負しています。

 さらに、部品を守りながら効率よく運ぶためには、工場内でのものの動かし方も考える必要があります。そこで後工程への積み替えを不要にしたり作業スペースをコンパクトにしたり、といった現場改善の提案もしています。必要ならオリジナルのマテハン機器も開発します。

 加えて、お客さまが労せず物流の最適化を図れるよう、倉庫管理システムの導入や配送のアウトソーシングなどの「物流支援」も手がけています。

――そこまでできるのですね。

高木 ここまでする会社は珍しいので引き合いも多く、全国1200社のお客さまにご利用いただけるようになりました。業種も自動車や電子部品、建材、医療機器、食品など多岐にわたっています。

――もともとの祖業は?

高木 1939年の創業時は紙袋の製袋業でした。富山でのダム建設や戦後復興に必要なセメントの袋から始め、化成品の原材料の袋にも広げていきました。