明治時代の「30代の独身女性」は、しんどい? あえて朝ドラで描いた「生きる希望」の見つけ方〈ばけばけ第81回〉『ばけばけ』第81回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、第81回(2026年1月26日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

やさしいヘブンの手品

 第17週「ナント、イウカ。」(演出:小林直毅)は新居の庭に生えた百日紅(さるすべり)の木からはじまる。

 ヘブン(トミー・バストウ)のモデルである小泉八雲の家にも生えていた木を再現している。その穴に蛇が住んでいたそうだ。

 で、蛇と蛙(渡辺江里子と木村美穂)が、

「おトキちゃん霧の中にいます」
「仕方ないわよ、モヤモヤしちゃうわよねー」

 とトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)のことを心配している。

 トキはサワ(円井わん)に避けられていることを気にしているのだ。

 なんも知らない司之介(岡部たかし)は、新聞に自分のことも載ったと喜ぶ。

「『日本滞在記』に何ひとつ載せてもらえんかったわしがついに」と。『滞在記』にも書いてほしかったのかと思うとほほ笑ましいというか。

 それに比べて、ヘブンはふさぎ込んだトキをマジックショーで慰める。

 久しぶりに洋服を着ているヘブンは「月から来ました」と言う。タキシード仮面的なこと?

 ヘブンは箸の使い方はうまくないが、手品はできる。意外と器用。

 手品で出てきた紙切れには「ダイジョブ」と書いてあった。やさしい。

 そして、実は司之介と共謀していたらしく、こそこそふたりが話している。やるな司之介。武士の家に生まれたにしては、しゃきっと全然していないけれど、長年の庶民生活が身についてしまったということにしておこう。なによりふざけているが、家族思いではある。

 主題歌明け。トキをなみ(さとうほなみ)が訪ねて来ている。福間(ヒロウエノ)も一緒だ。彼に身請けされたことを報告して、「愛とお金だけはあるけん」と、のろける。トキにはのろけてもいいだろう。