「コンプライアンス=法令遵守」
ではいまのご時世、物足りない

 コンプライアンスとは、一般的に法令遵守と言われます。しかし、今の時代にそれでは不十分です。そもそもコンプライアンスとは英語で「従うこと」です。つまり、法令だけに従えば良いという意味ではありません。私はコンプライアンスにはレベルがあると思っています。

レベル1:法令遵守

レベル2:社内規範(社内規定やルール)

書影『「ハラスメント」の解剖図鑑』(誠文堂新光社)『「ハラスメント」の解剖図鑑』(誠文堂新光社)
宮本剛志 著

レベル3:社会規範(良識など)

レベル4:企業理念・社会的意義(パーパス)

 セクハラ・パワハラ・マタハラなどは法的根拠があるので、レベル1の話にすぎません。レベル1だけを守っていてもよい職場とは言えません。目指すべきコンプライアンスは、レベル4です。つまり、管理職は企業の理念・社会的意義を体現するということです。

 ソーハラはレベル1には違反しないのかもしれません。しかし、レベル4を遵守した行為でしょうか。レベル4を遵守すれば、そもそも「ハラスメント加害者になってしまわないか」と悩む必要がなくなりそうですね。