「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。
元気なうちに話し合っておくことが大事
今はまだ想像できないかもしれませんが、親が亡くなる日は必ずきます。
でも「介護が必要になったらどうする」ということすら聞きにくいのに「最期はどう送ってほしい?」「相続って何か対策してるの?」なんてふだんなかなか聞けませんよね。
でも亡くなると、本当に待ったなしです。
遺影写真や最後に着る服、棺に入れるモノなどを即断即決していかなくてはいけません。お葬式を行うためには親の宗教も知っておく必要がありますし、お墓の準備もあります。相続準備も始めなければなりません。これらを、親を失って悲しみに暮れているときに決めていくのはとても苦しいものです。
だから、やっぱり元気なうちに話し合っておくことが大事。その点、実家片づけは本人が生きてきた道を共に振り返る作業でもあるため、死生観や人生観などの奥深い話を共有しやすいのです。
最期のとき、どう送ってほしいかはマストで聞いておく
例えば、最期のときどんな服を着て旅立ちたいのか? あるいは遺影はどれを使えばいいのか? 高齢になると、おしゃれ着もあまり持ってないし、ちゃんとした写真を撮る機会もなくなります。なので、いざというとき、頭を悩ませる方は多いもの。
だから、実家片づけの機会にぜひ、本人の意思を確認しておきましょう。
洋服や写真の片づけをしながら、「最期にどんな服を着たいと思ってるの?」「遺影に使いたいと思ってる写真はあるの?」「天国に持っていきたいぐらい大切なモノって何?」など、軽い感じで聞いておきましょう。
私の母は、白装束はイヤ、額につける三角の布もイヤという人だったので、大好きな自前のキラキラのスパンコールの服を身に着けて母らしく天国へ旅立ちました。
元気な今だからこそ、聞きにくいことも気軽に聞ける
また、お金に関することもマストで確認しておきましょう。こちらは「紙片づけ」をするときに、要介護になったときの対応や、遺産分割の希望、遺言書の有無などまで確認しておければベストです。
「最期のことを話題に出すのは気まずい」と感じるかもしれませんが、元気な今だからこそ軽い雰囲気で聞くことができます。
これがもし、病床に臥しているときなら「遺影写真どれにする?」なんて、リアリティーがありすぎてとても無理。
元気な今のうちだからこそ、“片づけるついで”に聞けることなのです。
*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。