「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」。「実家片づけ」をしないまま親が認知症になったり亡くなったりすると、「お金」「時間」「労力」という負担が子ども世代にのしかかってくるので、「実家片づけ」は”親が元気なうちに”取り組むことが大切です。とはいえ、ほとんどの親は、最初は片づけることに反対し、親子喧嘩に発展することもしばしばです。乗り気じゃない親を説得し、実家の膨大なモノや書類を片づけ、親が最期まで楽しく安全に暮らせる家にどう変えていくか……。親子だからこそ難しい「実家片づけ」のポイントを解説した、片づけアドバイザー石阪京子氏の最新刊『介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』から、そのテクニックを抜粋・編集してお伝えします。

【実家片づけ】300万円が一瞬で消えた!「実家片づけ」を先延ばしにした悲劇ワースト1写真はイメージです Photo: Adobe Stock

実家片づけ」を先延ばしにしていると…

実家片づけはやるのもひと苦労ですが、やらないでいると、もっと大変なことになります。実家片づけを先延ばしにしたせいで実際に起きた悲劇を紹介します。

親の死後の家の片づけにかかった額は最高300万円!

 一つ目のエピソードは、親の死後、家の片づけだけで費用が300万円もかかったというAさんです。これは、私が知る限り最高額です。

 Aさんの実家は、東京・品川にありました。ご両親が亡くなり、相続の関係で早急に実家を片づける必要がありましたが、なかなか片づけに行く時間がとれませんでした。そこで、業者に丸投げすることに。すると、300万円も請求がきたのです。

 もちろん、人件費や廃棄料、大型家具を搬出するための特殊車両代、それらに利益も上乗せされるので、ある程度お金がかかるのは仕方ありません。でも、これはかなり高額です。

 Aさんはとても急いでいて、相見積もりも取らずに依頼したため、ぼったくられた可能性もあります。

 時間制限があると、腰を据えて片づけに取り組むことができません。Aさんの場合は持ち家でしたが、賃貸の場合は家賃が発生します。片づけに何か月もかけていたら、それだけでどんどん家賃がかさんでいきます。

 また、売れない田舎の一軒家を残された場合は、最悪0円でもいいから早く処分しないと、固定資産税を取られてしまいます。

 このように、片づけを先延ばししたまま親が亡くなってしまうと、負の遺産がふくらんでいってしまうのです。

*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。