「ハローキティ」は今年で50周年を迎えた。このキャラクターを世に送り出したサンリオも、喜ばしい材料に事欠かない。サンリオの株価は2020年に付けた最安値の10倍に達し、最高値圏にある。売上高は力強い伸びを示し、過去最高益を更新。4-6月期の営業利益は前年同期比80%増加した。ハローキティより14歳若い辻朋邦社長に多少なりと拍手を送るべきだろう。同氏は20年に祖父から経営を引き継いだ。新型コロナウイルス流行が始まるまでの数年間、同社の売上高と利益は減少が続いていた。すでに世界有数のキャラクター事業を展開しており、知名度はあったものの、多くのかわいいキャラクターの潜在力を生かし切れていなかった。辻氏は経営陣の若返りを進め、デジタルの世界にも踏み出した。ソーシャルメディアなどのオンラインプラットフォームでキャラクターを宣伝し、ネット通販事業を強化。利益率の高いライセンス事業も拡大し、電子レンジやスニーカーなど、さまざまな商品にサンリオのキャラクターが使われるようになった。ライセンス事業は利益率が高い上、海外市場でその地域向けのデザインを展開したり、消費者との接点を増やしたりすることができる。