アメリカン航空のダン・ケアリー機長は、3月にボーイング777でパキスタン上空を通過中、コックピット(操縦室)の機器が「うそ」をついていると知った。高度3万2000フィート(約1万メートル)で「機首を上げろ!」という地面に接近したときの警告が鳴り響いたのだ。この誤った警告は、民間パイロットが日常的に遭遇する電子戦の一種、GPS(全地球測位システム)の「スプーフィング(なりすまし攻撃)」に起因するものだった。このときは虚偽だと判明したものの、各国の軍隊が無人機(ドローン)やミサイルを撃退するために使う偽物の信号が、米航空会社の国際線など民間航空機に影響を及ぼすケースが増えていることを浮き彫りにした。
「GPSなりすまし攻撃」電子戦が民間航空を脅かす
乗員乗客を危険にさらすニセ信号、多くはロシア・ウクライナ・イスラエルが発信元か
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