歩くのが遅くなった、寝ても疲れが取れない、根気強くひとつのことを考えられない、よく目が霞む……。「老い」は気付かぬうちに少しずつあなたを蝕んでいく。老いを少しでも遅くしたいと願わない人などいないだろう。そこで、食事術や生活習慣といった「不老術」をアメリカの名医がまとめた本が誕生、NYタイムズベストセラーに選ばれ、エリック・シュミットといった数多くの著名人から絶賛を受けている。世界9カ国以上で刊行の話題作『医者が教える最強の不老術』より、内容の一部を特別公開する。

腸をキレイに保護してくれる「善玉菌」の大好きな食べ物17選Photo: Adobe Stock

善玉菌にエサをあげれば
腸を健康的に保ってくれる

[腸の]善玉菌にエサを与えるにはどうしたらよいのだろうか? 善玉菌は、食物に含まれている食物繊維をむしゃむしゃ食べる。これらのエサは、プレバイオティクス[腸内の有用菌の働きを助ける物質]と呼ばれる。

 野菜、果物、ナッツ、種子、全粒穀物、豆類などの食物繊維が豊富な食品は、内なる庭を健康的に保つのに役立ってくれる。アボカド、アーティチョーク、アスパラガス、ベリー類、エンドウ豆、チアシード、ピスタチオなどの食品には、とりわけプレバイオティクス繊維が豊富に含まれている。

 ザワークラウト、ピクルス、テンペ、味噌、納豆、キムチといった伝統的な発酵食品などのプロバイオティクス[身体に有益な効果をもたらす生きた微生物]が豊富な食品も、腸を健康的に保つのに役立つ。

 マイクロバイオーム[ヒトの体に共生する微生物の集団全体]をめぐるエキサイティングな発見の中に、植物に含まれるカラフルな植物性栄養素であるポリフェノールの役割に関するものがある。善玉菌はポリフェノールが大好きで、それをエサにし、その見返りに私たちの身体を保護してくれるのだ。

 たとえば、そうした善玉菌の1つであるアッカーマンシア・ムシニフィラは、クランベリー、ザクロ、緑茶が大好きだ。

 この菌がたくさん存在すると、腸内に保護粘液層が作られるため、リーキーガット、自己免疫疾患のみならず、心臓病や糖尿病までをも予防することができる。さらにこの菌は、免疫療法などの特定のがん治療にも不可欠であることが判明している。がん治療の鍵の一部は、アッカーマンシア・ムシニフィラにエサを与えることにあるかもしれない。

 消化器系を順調に機能させ、障害から治癒させるには、亜鉛、オメガ3脂肪酸、ビタミンA、グルタミンなどの他の栄養素も必要だ。コラーゲンを含むボーンブロス[骨からダシをとったスープ]や、日本で塊根の部分が食用に使われるも健全なマイクロバイオームをサポートする。

(本原稿は、『医者が教える最強の不老術』からの抜粋です)