料理の知識が増えていけば、そこから理科や栄養に対する興味関心へと広がっていくこともあるでしょう。また、夕ご飯づくりも任せられるのなら、家族も大助かりです。子どもが自分の役割に手ごたえを感じられることほど良い脳育ての機会はありません。脳の発達からしても、良いことばかりです。

 親なら誰しも、子どもには健やかでいてほしいと思っています。早死にしてほしくないし、健康でいてほしい。その軸を持っていない親は、いないはずなのです。それなのに、中学受験となると目が曇ってしまう親がたくさんいる。本当に不思議です。

身体に異常が出るほどのストレスに
「立ち向かう」ことの愚かさ

 例えばこんなおかしなことを言うお母さんもいます。子どもがストレスで頻尿になっているのに、「こういうプレッシャーに立ち向かう強い心を養っておかなければ、大人になったときこの子が困る。だからここで頑張らせなければいけない」と。子どもが身体症状でサインを出したとき、そこでやめさせるのは甘えだと言うのです。もっともらしく聞こえますが、明らかに間違っています。