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ピザ2枚分の価値が、いまや2億円に膨張!
ネット上で密かに流通する「ビットコイン」とは?

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第242回】 2013年4月26日
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考案者とされる「サトシ・ナカモト」は
実在していない?

 ところで、ビットコインのしくみを考案したのは、サトシ・ナカモトという人物ということになっている。漢字では「中本哲史」と記述されるらしく、彼の名前で書かれた難しい論文もネット上に上がっている。完璧な英語で書かれたものだ。ただ、この名前は偽名だというのがもっぱらのうわさで、日本人どころか、どこの誰なのかも不明だ。

 国家の管理を受けないリバタリアン(放任主義的)なこのバーチャル通貨に最初に飛びついたのは、テクノロジーのギークたちである。そもそもしくみを理解し、採掘すること自体が難しいので、非常に限られた人々の間でしか取引されないものとして始まったのである。

 当初は、ピザをビットコインで買うとか、ネット上のサービスをビットコインで売るといったような取引があったのだが、そのうち価値が高騰していくにしたがってビットコイン自体が投機の対象になった。

 ビットコインの取引市場もあって、採掘した人々がここで通常の通貨と交換する。その価値が、最初は1ビットコインあたり1ドル以下だったのに、今年に入ってから270ドル近くにもなり、その後130ドルほどに落ちるなど、激しく動くのが特徴だ。

 キプロスやヨーロッパでの財政難も、ビットコインの高騰に関係しているという。地元通貨への信頼をなくした人々が、ビットコインに流れているからだ。

 しかし、ビットコインがただのバブルな流行なのか、それともこれから出てくる新しい通貨の先がけなのかについては、意見がはっきりと分かれている。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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