KINTONラーメンは2012年にトロントに1号店を出し、カナダやアメリカなどで20店以上を展開する。日本人の客はほとんどおらず、ラーメンの味付けは日本とも少し異なる。人気メニュー「ポークスパイシーガーリック」は、豚骨スープに独特の辛みが加わっており、カナダ人らに好まれている。現地では、ラーメンが1杯2000円を超えることもあるなか、1600円から食べられるのも人気を集める理由だ。「自分好みのラーメンを食べたい」というカナダ人のニーズに応えるため、チャーシューやメンマといったおなじみの具材のほか、油揚げやキクラゲなどのトッピングが充実しているのも特徴だ。

 客層は幅広い。日中はビジネスマンらが訪れる一方、メジャー・リーグのトロント・ブルージェイズの本拠地が近くにあるため、観戦客らが試合の前後に訪れる。日本ではラーメン店というと1杯食べて足早に店を去るケースが多いが、大人数で誕生日パーティーを開くような客もいる。食後もゆっくりと談笑しながら過ごす客も珍しくない。現地では「ラーメンレストラン」という感覚で受け入れられ、そのぶん質の高いサービスが求められるという。チップを支払う文化からサービスに対する評価が自ずとわかることになる。

「数字として見えるので、プレッシャーにもなりますね」