ワーホリで1年間過ごした後、アメリカ・シカゴの店舗で働く誘いも受けたが、日本に帰国することを選んだ。

 だが、日本に戻ると、カナダでの生活が恋しくなった。大阪の居酒屋などで2年間バイトとして働いたが、日本での生活におもしろみが感じられなくなっていた。

「日本にいたら、ルーティン通り、ずっと同じような生活をしていると思いました」

 カナダで生活をしているときは、バスや電車が時間通りに来ないことにストレスを感じることもあったが、そんなイレギュラーなことも、あったほうがおもしろいなぁと思いはじめた。

 2021年秋、カナダに戻り、KINTONラーメンの運営会社の社員として働くことになった。英語でのコミュニケーションには苦戦したが、カナダの人々の距離感の近さは気に入っていたこともある。

「たとえば、街中でつまずいたときに、カナダの人は笑ってくれたり、『大丈夫か』と声をかけたりしてくれる。オープンというか、声をかける壁が低いですよね。日本だったらみんな下向いてスマホをいじって歩いているようなところがありますけど、そんなところがカナダは過ごしやすいと感じますね」