ビジネスを強くする教養写真はイメージです Photo:PIXTA

日本人の多くが英会話で「NO」(ノー)を言うことが苦手だ。断ったつもりが全く相手に伝わっていなかったり、「英語はストレートな言語」という思い込みのせいで、あまりにもぶっきら棒にノーを言って人間関係をこじらせてしまったりする。英語コミュニケーションで最適なノーを言えるようになる、とっておきの練習表を紹介しよう。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)

日本人の「断り方」は心底まどろっこしい!

 アメリカの人気コラムニスト、デイヴ・バリーが日本旅行をして書いた本『Dave Barry Does Japan』(邦題『デイヴ・バリーの日本を笑う』) では、こんな表が掲載されている。

 デイヴ・バリーが言わんとすることを筆者が意訳すると、下記のようになる。

 アメリカ人も含めて英語圏の外国人が感じる、「ノーを言わない日本人」のコミュニケーションスタイルをユーモラスに表現していると思う。

 相手の感情や人間関係を重視する「和」の文化を持つ日本には、独特の「上手な断り方」というものが存在する。直接的な否定の言葉はなるべく避け、曖昧な表現で断るものだ。例えば何かの集まりなどに誘われたのを断る場合。

「ありがとうございます。でも、あいにく先約が入っていまして…。すみません」
「今日はちょっと…。申し訳ないです。」

「渦巻型論理」と呼ばれるこの論理構成で話すと、結論を明確に述べなくとも断ることができる。しかし、それが通用するのは日本人同士の場合だけ。多くの外国人はこの論理になじみがない。