最近、四季が曖昧になり季節感が失われつつある……そんな日常に、改めて季節感を取り戻すことができる書籍『季節の兆しカレンダー』。草花や鳥、虫、空模様、行き交う人が着ているものや、ことば、家のなかに現れる「季節の兆し」を、二十四節気・七十二候に沿って紹介しています。なかには「運がよくなってきているサイン」や、季節ごとに行うといい開運法も多数紹介しています。今回は、本のコラムで紹介している季節感のある装いと開運法について紹介します。
季節感のある装いは、開運にもつながります
日本の着物には、四季に応じたものを着分けるという決まりがあります。
「袷」「単衣」「薄物」と仕立て方を変えるほか、色柄は実際の季節より先取りするのが基本です。たとえば、秋の紅葉柄は葉が色づく前から着始め、実際に紅葉する頃にはもう着ません。季節を先取りするのは「粋」ですが、過ぎた季節を引きずるのは「野暮」になってしまうためです。
洋服も、かつては四季に応じてこまやかに着替えるのが普通でした。
たとえば、お盆を過ぎたら麻の服は控えます。さらさらとして透け感のある麻は、夏の素材だからです。9月に入ればノースリーブの服、白い靴、サンダルなどもしまい、秋の装いに切り替えます。
冬のコートも、早い人は立春を過ぎたら軽やかな春コートに変えるものでした。
とはいえ、今では年々気候が厳しくなり、夏の暑さが10月頃まで続くのも普通になってきています。そうしたなかで、四季に応じた装いをするというのは、もはや現実的ではなくなってしまいました。けれど、日本の四季という情緒をまったく顧みないのも、装いの楽しみが半減してしまって寂しいものです。
そこで、季節感を表現するには「色」を意識するとよいでしょう。かつての四季通りにアイテムや素材を着分けるのは難しくとも、色なら楽に取り入れられます。
たとえば、暦の上で秋になったとしても、30度を超えるような暑い日に、長袖を着なければならないということもないでしょう。けれど、肩先は隠れるものを選んだり、真っ白ではなく黒や茶色、ボルドーやカーキといった秋を感じさせる色を選びます。
昔からよくいわれる「お盆を過ぎたら白い服は控える」「同じ紺でも夏は浅い紺、冬は濃紺」といった色の嗜みを、今こそ改めて大切にすると、おしゃれ度が増して見えるのではないでしょうか。
季節に敏感になることは、開運にもつなが季節を先取りするのは「開運」ですが、過ぎた季節を引きずるのは、運気の停滞を招きます。
運気は循環するものですし、風水では、旬をはずしたものには運がないと考えるのです。
ほかにも、「いつか使うかもしれないから」と3年以上使っていないものをとっておいたり、「高かったし、もったいないから」といつまでも持っているブランド品、破れたりほつれたりしているもの、1度着たのに洗っていないものなども、厄となってあなたの開運を阻みます。
これら、不運のもとを手放し、季節に沿った素敵な装いで、開運していきたいものですね!
『季節の兆しのカレンダー』では、季節感を日々の生活のなかに取り戻すために知っておきたいことを500個以上も紹介しています。季節感は、意識しなければどんどん日常から失われていってしまいますが、草花や鳥の声、空模様に目を向け、昔から季節と運気の変わり目とされる二十四節気・七十二候、節句などに開運行動をすることで、暮らしは物心ともに豊かになります。季節の兆しのなかに隠れている「幸運があなたに訪れているサイン」は他にもあります。ぜひ、探してみてくださいね。