また、明石市では2022年7月にそれまでの立替制度をさらに拡充しました。離婚後の子どもへの養育費不払いの立替が1カ月分だったのを3カ月分に期間延長しています。日本では、明石市が“全国初・唯一”ですが、世界的には当たり前のよくある制度です。

 私が市長になってから、明石市では全国初の取り組みを100以上も具体化してきました。もっとも、ほとんどは海外の施策を手本としたものにすぎません。「養育費立替」は韓国を参考にしたものですし、「生理用品のトイレ常備」はニュージーランド、「障害者の参画」はアフリカのルワンダを参考にしました。

 要は地球儀レベルで「これはいい政策だな」と感じたらそれをマネすればいいだけのことなのです。でも、我が国の政治家たちはそんな簡単なことをなかなかしようとはしません。

 養育費の立替を含め、明石市が取り組んでいることは本来、国がしなければならないベーシックなことも多いのです。社会全体の意識を変え、自治体レベルではなく国レベルで一刻も早く法整備と実際の運用を開始してくれることを願うばかりです。