「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
親が予定をすっぽかす
「今日、病院に行く日じゃない? その用事はキャンセルしなよ」。病院に行く予定を忘れ、別の用事を入れた親を注意するひと言です。用事を忘れるのは、高齢の親の「あるある」ですが、放置するわけにもいきませんよね。
とりわけ、病院や冠婚葬祭など、大事な用事がある場合には「1日前」にリマインドすると安心です。当日や直前に指摘するのは「失敗の指摘」になるため注意が必要です。失敗の指摘を続けていると自己肯定感の喪失につながったり、ストレスの原因になったりします。やや面倒に感じるかもしれませんが、「看取者(かんしゅしゃ)」として接することを心がけるといいでしょう。
世の中にはさまざまなリマインドツールがありますが、高齢者に一番おすすめなのは「書き込むスペースが大きい壁かけカレンダー」です。アナログですが、なんだかんだ言って直感的で使いやすく、間違いも起きづらいでしょう。
また、日常的に目に入るため親の意識も高く保てます。なにかの用事が入ったら、必ずカレンダーに「用事の内容・時間」を書き込むよう伝えてください。
加えて皆さんも、カレンダーをスマホで撮影しておくなどして、親の予定を把握しておくと、より連携が取りやすくなります。