石破新政権の財政運営シナリオ分析
14年遅れの財政健全化はまた先送り!?
10月1日に石破新政権が誕生、いきなりの衆院解散による総選挙になった。
選挙結果は現状では予想できないが、自民、公明で過半数が維持されれば、11月以降、石破茂首相が掲げる「地方創生」などが具体的にどう政策に落とし込まれるかが注目だ。
選挙後の当面の焦点は、物価対策などの経済対策を盛り込んだ2024年度補正予算の編成になるが、一方で多額の政府債務を抱え、財政健全化をどう進めるかも新政権の重要な課題の一つだ。
7月に公表された内閣府の「中長期の経済財政に関する試算」では、財政健全化目標として掲げてきた国・地方の基礎的財政収支(PB)の「25年度黒字化」が実現する見通しが示された。当初想定されていた目標年度より14年遅れとなるが、本当に実現されるのであれば感慨深い。
だが内閣府が見込む25年度のPB黒字幅は「0.8兆円」とわずかだ。自民党総裁選などでも当初は財政健全化重視の姿勢のようにみられた石破首相だが、どのような財政運営をしようとするのか。
24年度補正予算の規模がどうなるのかのほかにも、健全化目標達成に向けては高いハードルがある。