1冊未満ということは、簡単にいえば1冊も読んでいないということです。つまり40代のおじさんの2人に1人は本を全然読んでいないということになります。

 私は20年以上前に『読書力』(岩波書店)という本を出しましたが、その当時に全国で2万件以上あった書店の数は、現在は1万件近くに半減しています。

 Amazonなどのネット通販の浸透による影響もあるとは思いますが、理由はそれだけではないでしょう。日本人が本を読まなくなったというこの1点につきます。

 読書とはスポーツと少し似たところがあって、毎日本を読むということは、読書力を鍛える知の筋トレをしているようなものです。

 筋力をつけるには積み重ねが必要ですが、積み重ねてさえいれば筋肉は必ずつくということ。読書力も同じです。トレーニングは嘘をつきません。そのためにできるだけ良書と呼ばれる本を選ぶことが必要となります。