筋肉質だが
骨格は脆弱!?
チョコザップの急拡大によって、体つきには、どのような変化が現れたのでしょうか。
財政状態計算書をみると、資産合計は前期から10.2%増加。内訳は、流動資産が4.7%減ったのに対し、非流動資産は23.4%増加し、より筋肉質な体になりました。
特に増えたのが、有形固定資産と使用権資産です。有形固定資産は前期から44.5%増加。また、使用権資産は23.1%増えました。前者はジム設備の拡充、後者は店舗テナント料の増加であり、いずれもチョコザップの店舗拡大によるものです。
これらの筋力増強は何に支えられているのでしょうか。負債の部に目を向けると、負債合計が93億円(7.9%)増加。特に有利子負債が、流動・非流動合わせて前期から69億円増え、合計897億円もあります。
有利子負債は、流動負債の割合が大きく、流動比率(流動負債に対する流動資産の割合。比較的短期の資金繰りの安全性を表す)は80.1%と、100%を下回っているのが気になります。また、自己資本比率は12.4%で、前期から2.5ポイント回復するも、かなり低い水準で骨格は脆弱です。疲労骨折するリスクを負いながらも、ハードな筋トレにより成長を促している状況と言えるでしょう。
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佐伯良隆 著