高配当・半導体・生成AI超進化!5年後の業界地図#18Photo:Chip Somodevilla/gettyimages

今年11月の米大統領選挙の結果は、2020年代の世界経済の動向にも多大な影響を与えかねない。特集『高配当・半導体・生成AI超進化!5年後の業界地図』(全19回)の#18では、昨秋までニューヨークに駐在していた米国経済・金融担当の専門家である大和総研の矢作大祐主任研究員が、候補者2人の政策の方向性を分析し、日本企業がどのように備えるべきか展望した。

どちらが勝利しても
経済的なリスクあり

 2024年11月5日の米大統領選挙(本選)まで数カ月となった。現職のジョー・バイデン氏(民主党)、前任のドナルド・トランプ氏(共和党)が、20年のように再び一騎打ちを繰り広げようとしている。

 トランプ氏が不倫口止め料を不正に会計処理したとされる事件で5月末、ニューヨーク州地方裁判所の陪審員が同氏に有罪の評決を下した。有罪判決を受け、トランプ氏が劣勢となることも想定されたが、6月27日の大統領候補者討論会でバイデン氏が精彩を欠いたことで、世論調査の支持率ではトランプ氏がむしろ優勢の度合いを強めている。

 現時点で大統領選の結果を予見するのは困難だが、次ページでは、両氏の基本的な政策の方向性を分析しながら、各氏が勝利した際の米国経済のリスク要因や、日本企業への影響などを展望する。

 いずれの候補者が勝利しても、相応のリスクに備える必要があるからだ。