自衛隊は「やられたからやり返す」という考え方はしない

F:中国機による領空侵犯の直後に、今度は海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を通過しました。これは海上自衛隊発足以来初めてのことです。それに対し中国政府は「中国の主権と安全を損なう挑発行為に断固反対する」と強く反発しています。あれは今回の領空侵犯に対する一種の意趣返しといえるものですか?

鈴:それは我々には分かりません。

南西航空方面隊副司令官 中島隆幸氏(以下、中):日本からエスカレーションラダー(escalation ladder:紛争の段階的な拡大)を上げていくことは基本的にありません。

F:国民感情からすると、「日本はやられっ放しじゃないか。やり返さなくて良いのか」という思いがあると思うのですが。自衛隊の答えは「はい。我々はやり返しません」ということなのですか?

鈴:細部については言えないのですが、それがベースだと認識しています。