自衛官、特に戦闘機乗りは好戦的?

F:今度、元自衛官の中谷(元)さんが防衛相になるから、少しは変わるのかもしれませんね。

中:いや、むしろ一般的に、自衛官ほどエスカレーションを上げていきたくないと考えると思います。相手が来れば対応することはもちろんですが、こちらから煽るのは無意味です。全く意味がない。偶発事象が起こる可能性を自ら高めるようなことはしたくない。

F:うーん。何かすごく意外です。

鈴:一般的には「自衛官はみんな好戦的だ」という印象があるのかもしれません。戦闘機乗りになるような人間は、なおのことそうじゃないかと。

F:はい。好戦的、血の気が多い人なんだろうなとは思います。そうでなければ、そもそも自衛隊になんか入らないでしょう?

自衛官だからこそ、好戦的ではなくなる

鈴:でもそれが、全く違うんですよ。戦闘に関する訓練をすればするほど、「死」ということが現実味を帯びてくるんです。訓練をすればするほど、勉強をすればするほどです。我々はそういうふうに教育されてきていますので。

中:演習にしても何にしても、やればやるほど戦争はやっちゃいけない、抑止をしなきゃいけないということが一番のポイントになってきます。本当に戦闘になったら、確実に被害も出ますし、お互いに相当な犠牲を払わなければいけなくなりますから。