「圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。今回インタビューするのは、インターン時代にビジコン優勝など数々の逸話を持ち、現在は人事コンサルタントとして活躍する、山口貴一氏だ。今回は山口氏に、JR大阪駅前のグラングリーン大阪に2024年9月オープンとなった、世界最高級のコーヒーが飲めるカフェ「LOHE(ローエ)」の企画やコンセプト、コンペを勝ち抜いた秘訣について伺った。(ダイヤモンド社書籍編集局)
グラングリーン大阪にカフェ「LOHE」ができるまで
――FIDIAが手掛ける“世界レベルのコーヒーが飲めるカフェ”が、大阪に誕生したとのことですね。
山口貴一(以下、山口):はい。JR大阪駅前に誕生したグラングリーン大阪(うめきた2期地区開発プロジェクト)の主要施設のひとつ「VS.(ヴイ・エス)」内に、コーヒー・コーヒーカクテル専門店として、カフェ「LOHE」(ローエ)が誕生しました。
VS.は、大阪出身の「世界のANDO」こと安藤忠雄氏が設計監修した文化施設で、その1階にある特別な場所に出店することができました。
この出店は、コンペ形式で行われ、僕はこのプロジェクトの主担当として参加しました。激戦を勝ち抜いた後、実店舗の責任者も務めることになりました。
激戦コンペを勝ち抜いた決め手は?
――このコンペは、かなりの激戦だったと伺っていますが……。
山口:そうなんです! 競合他社は本当に超大手ばかりで、名前を挙げれば誰もが知っている世界的に有名な企業が何社も参加していました。まさに激戦でしたね。
――そんな中で、LOHEが勝ち抜いた決め手は何だったのでしょうか?
山口:コンペに参加するにあたって、まずは徹底的に調査しました。立地や客層、周囲のカフェ事情、そして審査側がどんなカフェを求めているのかを徹底的にヒアリングし、分析しました。
その結果、「特別な場所だからこそ、普通の取り組みにはしたくない」というニーズが浮かび上がってきたんです。
そこで僕たちは、資料や収支計画を徹底的に練り、「ここにしかない特別な店、グラングリーン大阪に合わせたカフェを展開します」と提案したんです。
僕らを選んでいただけたのは、そうやってヒアリングを徹底した結果、相手のニーズに合う提案ができたところが良かったのかなと思っています。
「ここにしかない店」はこだわりで作る
――「ここにしかない特別な店」とは、具体的にどのようなコンセプトなのでしょうか?
山口:日本では、コーヒーは安く提供されることが多く、豆を現地で安く仕入れて大量に販売する形が一般的です。
しかし、僕たちはその逆を行きます。世界大会で優勝するレベルの最高級の豆を厳選して仕入れ、それをプロフェッショナルなバリスタが一杯ずつ丁寧に淹れています。
普通のカフェでは実現できないレベルで、「本物」にこだわったカフェなんです。
――「本物にこだわるカフェ」というのは、どういうことですか?
山口:僕たちのカフェのコンセプトは、“Less is more”。つまり、「少ないことは豊かなこと」という考え方です。
余計なものを省いて、純粋で本当に良いものだけをお客様に提供します。チェーン店では味わえないレベルのクオリティを追求しているので、ここでしか味わえないコーヒーを提供します。
そのわかりやすい例が、1杯1万円のコーヒーですね。
――コーヒーが、1杯1万円ですか!
山口:はい。これが高額に見えるかもしれませんが、決してボッタクリではなく、本当にその価値がある「純正価格」なんです。
世界最高峰レベルの、世界大会で優勝するレベルの最高級の豆というのは、なかなか一般の人が飲む機会がありません。そんな貴重なコーヒー豆なので希少性も高く、価値があります。
大阪には富裕層の方々も多いので、そういったお客様の「本当に良いものを飲みたい」というニーズに応える形で提供しています。
コンペでも、こうした「普通では飲めないコーヒー」を提供するというアイデアがユニークで、審査員にも面白いと感じてもらえたのではないかと思っています。
詳細は『スタートアップ芸人』の【「グラングリーン大阪」のカフェ公募に挑んだ驚異のプレゼン】という項目でも語られていますので、「勝ちたいコンペがある」「プレゼンを成功させたい」という方には参考になると思います。