監督やコーチから先輩たちに、後輩からの上下関係のない言葉を許すように、または後輩たちにはどんどん言わせるように働きかけることが重要です。下級生に何かを言われてストレスを感じるようなら先輩も最初から試合に出るべきではない。

 先輩たちもどんどん声を出すことを要求するし、もうピッチ上は全員が呼び捨てで構わない。青森山田では試合中は学年や年齢に関係なく呼び捨てです。真剣勝負の場で、さん付けで呼ぶ必要なんてないし、そんな緩い環境で常勝チームを作れるわけもない。プライベートでは先輩やさん付けで大いにコミュニケーションを取るべきです。ただ、試合ではそんな空気感があり、コーチ陣もそれを大切にしていました。これも伝統ですね。

 ピッチ上では対等で戦わなければなりません。3年生も、先輩に萎縮するような下級生とは試合を共にしたくないはず。出場するからには堂々と3年生と同じような振る舞いで戦ってもらわないと「やる気ないならここには来ないでくれ!」となります。

 それぐらいの気持ちで、堂々と先輩を呼び捨てにして戦う……青森山田の試合はいつもピリピリした緊張感が漂っています。