ただ、これらを実践できるかどうかにサッカーが上手いか下手かは関係ありません。長年、指導の最前線にいて思うのは「性格」が重要な要素になっているということです。私は究極のスキルは「性格」であると青森山田時代から何度も何度も選手たちに伝えてきました。もちろんゼルビアの選手たちにも伝えた言葉です。
個人スキルというものは高校生とプロ選手ではやはり大きな差があります。でもピッチ上で必要とされるプレー判断は、プロ、アマ関係なく求められます。何が「できるか、できないか」はあまり重要ではなく、嫌なことでも「やれるか、やれないか」。その選択においてはいつも「性格」が付きまとってきます。
サッカーの場合ですが、相手が打った強いシュートにも背中を向けることなく、果敢に食らいつき、身体を張ってゴールを守ろうとするプレーが必要とされますが、恐怖や痛みを伴うプレーにおいては、選手個人によって大きな差が出てきます。足だけ出してなんとなく阻止するプレーや、顔が逃げて身体を逸らしてしまうプレーは、失点の原因にもなり、プロであっても頻繁に起こっています。やはり少なからず恐怖心はあるものです。