幸せの絶頂なのに婚約者を信じられない…悪い予感が的中したカップルの「その後」の選択

　私は美咲さんと相談して、メッセージの内容から不貞行為をする可能性があると思われる、金曜日から土曜日にかけて調査することにしました。

婚約者の知られざる土曜日の過ごし方
調査結果を聞いて依頼者が取った意外な行動

　金曜日の午後7時ごろ、賢太郎さんが社内で仕事をしている姿が確認できました。他の部署の電気がほとんど消えても、プロジェクトを推進する賢太郎さんの部署だけ仕事が続いているようでした。終電が迫った午前0時過ぎに電気が消え、数人の男女が出てきました。その後数分して賢太郎さんと倫さんらしき女性が出てきました。私はすぐに尾行を始めました。人もまばらで二人の話し声が聞こえてくるほどの静けさでした。途切れ途切れに聞こえる会話から、仕事について話しているようでした。数十メートル歩いたところで、通りかかったタクシーに二人は乗り込みました。

　調査のパートナーが車でゆっくり付いてきてくれていたので、すぐに乗り込みタクシーを追いました。

　二十数分後、10階建ての立派なマンション前に止まったタクシーから降りた二人は、腕を組みながら中に入りました。

　張り込みを続けていると、二人は翌朝10時くらいにラフな服装で朝ごはんを買いに行き、再びマンションに戻りました。明らかに週末同棲の不倫関係にあるようでした。

　この報告書に目を通した美咲さんは、大きなショックから泣き出してしまいました。十数分後、落ち着きを取り戻した美咲さんは、私の目の前で家族や友達に「後で詳しく話すけど、賢太郎さんとは結婚しないから」と冷静に数本の報告電話をしました。

「探偵さんの前でなるべく早く伝えることで、私に覚悟ができました」と言った美咲さんの目からは涙がすっかり消えていました。

　その後、賢太郎さんに証拠を突き付け、婚約破棄の話し合いをしたそうです。最初は弁解しようとした賢太郎さんですが、言い逃れできない証拠がそろっていることから、諦めざるを得なかったそうです。