米航空宇宙大手ボーイングは、長年にわたり米航空宇宙局(NASA)と協力してきた宇宙事業の売却を検討している。トラブルに見舞われた宇宙船「スターライナー」や、国際宇宙ステーション(ISS)への支援業務も含まれる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。苦境が続くボーイングでは、8月に就任したケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)が合理化と赤字脱却に注力している。今回の事業売却の取り組みはそうしたオルトバーグ氏の戦略の一環だが、まだ初期段階にあり、実現しない可能性もある。一部の関係者によると、ボーイングはNASAの大型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」を監督する役割は維持するとみられる。SLSは、NASAが将来の月探査ミッションを開始するため、ボーイングに資金を提供して製造を依頼しているロケット。SLSは約2年前に初飛行を成功させたが、ボーイングは生産上の課題や品質管理の問題に直面している。
ボーイング、NASAとの宇宙事業の売却検討
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