坂爪 障がいを持った方も、そのご家族も、誰もが幸せになるのが理想ですよね。

性的欲求の自己管理ができれば
他人や社会とつきあっていける

大川 強度行動障がいのお子さんも、性的な欲求を自分でうまくコントロールできたとしたら、暴れてしまうような場面をコントロールできるようになるかもしれませんね。

坂爪 私もそう思います。自分で性的欲求の管理ができるようになれば、自分と他人、社会と付き合っていけるようになると思っています。

 そのときに他者とのスキンシップが足りないと相手の気持ちや痛みがわかりません。スキンシップは最低限必要なものだと思います。健全な形での触れ合いを推奨するという意味では、フォークダンスなどのプログラムがあります。

大川 基本的なことをうかがいますが、障がい者の方が自慰行為をコントロールすることはできるのでしょうか。

坂爪 そもそも自分の性器を触ること自体は悪ではありません。自分の都合で他人の性器を触るのがダメだという話です。適切な場所や時間、空間でしていこうねと誘導していくことが重要だと思います。

大川 みんなで手をつないだりダンスを踊ったりすることで、自分の性器を触らなくなったということも聞いています。