米大統領選に大きな影響を与える「オクトーバー・サプライズ」が今週到来したかもしれない。場所はドイツだ。独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が自動車工場3カ所の閉鎖と1万人の人員削減、従業員の大幅賃下げに踏み切る可能性があるとの知らせは、米バイデン・ハリス政権の気候変動対策の危険性について米国民に警鐘を鳴らしている。このニュースは28日、VW従業員でつくる労働評議会のトップから従業員たちに伝えられた。これは控えめに言っても、欧州一の経済大国にとって衝撃的な出来事だ。VWグループは、旗艦ブランド「VW」の工場10カ所があるドイツで約30万人を雇用している。VWはここ30年間、強制的な人員削減を回避してきたし、同社の87年の歴史において本国ドイツで工場が閉鎖されたことはない。