米経済は9月利下げ後に悲観論が後退、GDP年次改定が示す「底堅い成長」と「上振れリスク」Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

9月の大幅利下げから一転
悲観論が後退する米国経済

 米国経済の先行きを巡る悲観論が急速に後退している。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月に予想を上回る利下げを決めたが、最近ではFRBによる情報発信のトーンも落ち着きを取り戻している。市場が織り込む今後の利下げペースもかなり緩やかになった。

 米国経済の悲観論が後退している背景に雇用と消費の月次指標の改善がある。7月に4.3%まで上昇した失業率は9月に4.1%まで低下し、非農業部門雇用者数も予想以上の増加をみた。一時期弱含んだ小売統計も7月から9月にかけて予想を上回る底堅さを示した。

 オックスフォード・エコノミクスは一貫して米国景気悲観論に距離を置いてきたが、最近では米国経済の持続的で底堅い成長について一段と自信を深めている。25年、26年共に成長率予想は2.5%とコンセンサスに比べ強気の成長を予測している。