日銀の「次の利上げ」時期予測で
エコノミストと市場で「7カ月」乖離
日本銀行の「次の利上げ」時期をめぐって、エコノミストの予測と市場の織り込みとが、大幅に乖離(かいり)している。
主に市場エコノミストが回答しているブルームバーグのサーベイによる9月下旬の日銀金融政策決定会合直前に行われた調査では、中心的な利上げ予想時期は12月となっていた。一方、その時点で、短期金利の水準から算出される市場の利上げ織り込み時期は、来年7月頃だ。両者の乖離は実に7カ月に達している。
この差はどこから来るのか。エコノミストの多くは国内の経済や物価情勢が日銀の見通しに沿って推移しているかを重視しているのに対して、市場はこのところの米国経済の行方に対する見通しの変化をより重視しているようだ。
そして日銀にとっても「米国経済の動向」が、今後、利上げを進めていくうえでの重要なポイントになると考えられる。
FRB(米連邦準備制度理事会)が4年半ぶりの利下げに踏み切ったあと、米国景気の展開では「三つのシナリオ」が想定される。それによってFRBの政策金利の低下度合い、さらには日米金利差、円ドル相場がどう変動するか。そのパス予測は日銀にとっても非常に複雑だ。