英製薬大手アストラゼネカの幹部トップが中国で調査を受けていることにより、同国で事業を展開する外国企業の間に改めて動揺が広まっている。一連の調査や拘束の事例を受け、中国政府の意図を巡る不透明感が高まっている。中国では高齢化が急速に進んでおり、1兆ドル(約152兆円)を上回る規模の医療業界は外国企業にとって最も魅力的な機会の一つとなっている。だが業界の不正疑惑に対する広範囲にわたる取り締まり強化は、政府の監視が企業幹部に及び、利益を損なう可能性があることを示す例ともなっている。アストラゼネカは30日、中国部門のトップであるレオン・ワン氏が政府当局から調査を受けていると発表。「要請があれば、アストラゼネカは調査に全面的に協力する」としたが、それ以上の詳細は明らかにしていない。ワン氏からは今のところコメントは得られていない。