東京から新幹線+特急でも、飛行機を使っても到着まで5時間以上かかる那智勝浦は、台湾の台北に行くよりも時間がかかる町です。
太古の昔、紀伊半島に超巨大火山があった影響で「火山がないのに温泉が豊富」という特異な地域性、地殻変動により隆起した巨岩、滝などが多いこの町は、40年もの間、開発から忘れられた地でもありました。那智大社や青岸渡寺など、ガイドブックに登場する寺社の近くに、仏教伝来以前の日本人の原始信仰の貴重な姿を今も見ることができます。古代からのそれらの痕跡に、ようやく注目が集まっています。
2023年、地方創生で知られる冨山和彦氏率いるIGPIグループが、この町に建つ西日本最大級の「ホテル浦島」を買収。同時に経営権をもつ南紀白浜空港とのインバウンド誘致の連携を計画しています。
和歌山県の熊野エリアは、今後“アドベンチャーツーリズム”の聖地として知られていく可能性が高いといえるでしょう。