インバウンド客が増えている昨今、「スピリチュアル旅」が外国人観光客のなかで密かなブームになっている。そのニーズに応えて人気の観光地となりつつある日本のスポットを、人気旅行アナリストの鳥海高太朗氏が教えてくれた。※本稿は、『鳥海高太朗が選ぶ 外国人観光客が見つけた47都道府県ニッポン新名所図鑑』(宝島社)より一部抜粋・編集しお送りします。
世界的な観光トレンド
「スピリチュアルな旅」
もともと「2020年外国人が訪れるべき 日本の観光地ランキング(外国人向け日本情報サイト『ガイジンポット』調べ)」で和歌山県は1位に選ばれたものの、コロナパンデミックで観光がストップ。話題が消えたままとなっていました。
しかし2023年、観光庁が和歌山県南部の熊野エリアを「富裕層の訪日誘客モデル地域」に選出したことから業界の注目を集めています。
最注目は「熊野古道」や落差日本一を誇る「那智の滝」など、見どころが多い「那智勝浦町」です。
世界的な観光トレンドで「スピリチュアルな旅」への関心が高まっています。2000年代に哲学者の梅原猛氏が「熊野は山に木の実を採り、海に魚を捕るという、縄文的生活が近年まで残っていた」と語ったように、和歌山県深南部は縄文の匂いが濃いエリアといえます。