注意しなければならない
「影響の大きい壁」は?
夫が主たる収入の担い手、妻はパートタイマーの夫婦を例にとり、収入の壁をまとめてみた。
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税金の壁については手取りに与える影響は少ないが、社会保険の壁は影響が大きい。前述のように社会保険の壁は、越えたとたんに約15%もの社会保険料がかかるからだ。
パートタイマーで働く人が気にすべきは、税金の壁ではなく、社会保険の壁であることを覚えておこう。もちろん、壁を越えて自身で社会保険に加入すると、将来受け取る厚生年金が増える、健康保険の給付を受けられるなどメリットもあることも知っておきたい。
今回の国民民主党が掲げる「103万円」は壁の撤廃ではなく、減税策だ。
給与収入のある人の場合、103万円を超えると所得税がかかり始める。給与所得控除の最低額は55万円、それに基礎控除の48万円を足すと103万円。控除とは「引くもの」なので、控除額の合計額103万円までは税金はかからない。国民民主党案は、基礎控除を75万円拡大し非課税ラインを178万円に引き上げるというものだ。
どのくらい手取りが増えるのか、具体的に見てみよう。