米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、インフレはほぼ完全に克服されたとの見方を維持している。FRBが7日に決定した利下げは、トランプ次期政権下の早い段階で利上げをする必要がないことに賭けているようなものだ。今回の決定でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は0.25ポイント引き下げられ4.50~4.75%となるが、経済的な観点からは理解し難い。パウエル氏は9月の会合で、インフレ率が目標値を上回り続けるとともに労働市場が堅調だったにもかかわらず、予想外に大幅な0.5ポイントの利下げを決めた。米長期国債の利回りは即座に上昇し、その後も総じて上昇を続けた。それはFRBの目標ではなかった。
【社説】FRB、インフレは克服されたと認識
トランプ次期政権下の「早期利上げなし」に賭けるパウエル議長
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