米連邦最高裁のサミュエル・アリート判事(74)に退任の意向はないと、同氏に近い複数の関係者が明らかにした。ドナルド・トランプ次期大統領が若手の保守派を後任に指名できるよう、アリート氏が辞任の準備を進めているとの一部観測を封じた形だ。関係者の1人は、アリート氏は政治的な観点から最高裁判事の職務について考えたことはないとし、「政治的な理由で退任するという考えは、彼の本質と一致しない」と述べた。大統領選でトランプ氏が勝利したことで、判事9人のうち3人が70代という最高裁の今後を巡る議論が再燃している。現在、最高裁で保守派は6対3の優位にある。トランプ氏が政権1期目に3人の保守派判事を任命したことで保守に大きく傾いた。