「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。
本連載は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの質問を、先輩であるアカツキ記者が答えていく会話形式で構成されています。今回のテーマは「NISA」です。
「今すぐ『兄さんのおでこ』を始めなきゃだめですよ」
吉田くん(以下、吉田):困ったなぁ。どうすればいいんだろ。
アカツキ先輩(以下、アカツキ):お、なにやら資料とにらめっこして珍しく仕事してるのか……と思ったら、証券会社のチラシか。
吉田:さっき商店街を歩いてたら、優しそうなお姉さんがこのチラシをくれて「今すぐ『兄さんのおでこ』を始めなきゃだめですよ」って教えてくれたんですよ。でもぼく、長男だから兄さんはいないし、おでこと言われてもどうしたらいいのか。
アカツキ:それはたぶん「NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)」だな。どちらも政府が国民に投資を勧めるため、投資後の利益には課税しないという制度だ。特にNISAは2024年から大きく制度が変わったのをきっかけに、新たに始める人が増えているそうだ。
吉田:なんですか、それ。長男でもできるんですか。
「つみたて投資枠」「成長投資枠」って何?
アカツキ:NISAは英国のISAという制度がモデルで、その日本版だから頭にNをつけたものだ。株式などを売り買いする際は通常、儲けた金額に約20%の税金がかかる。たとえば、50万円で買った株を60万円で売ると、利益の10万円から税金約2万円が引かれる。NISAはこれが非課税となって、手取り額が増える制度なんだ。
吉田:はっきり言って、全然わかりません。
アカツキ:そうだな、NISAというのは、自分が買った投資商品を入れておくための二つの「財布」だと思えばいい。その財布に入れておけば、税金がかからないからお得なんだ。一つ目の財布は、毎月など定期的に買い続ける「つみたて投資枠」。こっちには運用法や手数料などの一定基準を満たした投資信託という商品を、年120万円まで入れられる。もう一つの財布は、「成長投資枠」。こちらは買う商品をより自由に選べて、幅広い投資信託や上場株式を年240万円まで購入できるんだ。
NISA始めるためには、何を用意すればいい?
吉田:なるほど、財布かぁ。ちょっとわかってきました。あのお姉さんを信じて、お姉さんの証券会社でNISA始めてみます。何を用意すればいいんですか。
アカツキ:口座開設の申込書に記入し、マイナンバーカードなどの本人確認資料と併せて金融機関に提出する。その後、税務署の審査を経て口座が開かれる。ネットだけで手続きが完結する会社もあるから、手軽に始めたいならおすすめだ。
吉田:申込書はさっきお姉さんからもらったチラシの裏面にありました。あとは本人確認資料ですね。
アカツキ:吉田ちょっと待て。そのお姉さんの証券会社の社名、見せてみろ。
吉田:ここに書いてあります。「ラブ❤︎ラブ❤︎小悪魔証券」です。
アカツキ:いや、それ絶対に詐欺だろ。
※本稿は『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
※吉田くんとアカツキ先輩が活躍中のアニメ連載「そもそも?知りたい吉田くん」は朝日新聞デジタルで読むことができます。