「過去問の点数が伸びない。どうしたらいい?」→中学受験の専門家が教えるテクニックが実践的だった!写真はイメージです Photo:PIXTA

受験直前のスランプは、学力面・精神面・体力面のサポート次第で、大きな飛躍につなげることができる。連載第9回では、「過去問の点数が伸びない」「ケアレスミスがなくならない」「第一志望に合格するイメージが湧かない」など、読者から寄せられた不安やお悩みについて、具体的なスランプ脱出法を紹介しながらQ&A形式でお答えする。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之)

 今回は、読者の皆様から実際にいただいた質問にお答えします。中学入試の本番までのカウントダウンが始まったものの、「本当にこのままで合格するのだろうか?」「果たして、勉強の進め方は合っているのだろうか?」という不安や心配は尽きないものです。この時期にスランプから脱出するヒントを前後編としてQ&A方式でまとめました。前半は勉強面についてお答えします。

Q1
過去問の点数がなかなか伸びなくなりました。このままやり続けても良いのでしょうか?

A1
 過去問に取り組み始めた頃には、やればやるほど点数が伸びる時期があります。これは、問題形式に慣れたり、時間配分の間隔がつかめたりするからです。このご相談の場合は、問題の形式に慣れた後の時期ということですので、次は「中身の学力アップ」という課題を克服する段階になったとお考えください。伸び悩みに頭を抱えるよりも、「最初のステップをクリアした」と前向きに捉えましょう。

数年分の過去問を解いた後にこそおすすめ
「算数・理科」苦手克服法

 次に「過去問の復習の仕方で工夫できること」をご紹介します。

 過去問演習が数年分終了した時点を想定します。効果的な復習の方法の一つに「大設問」だけを抜き出して、何年分か演習していくやり方があります。特に、算数、理科との相性が抜群の方法です。

 例えば、計算問題。10回分くらいやると、〈5問の中ではいつも大設問3は計算の工夫が出題されている、大設問5は逆算を扱っている〉など、学校ごとの出題傾向が見えてきます。

 理科は、分野ごとにやり直すという方法があります。例えば「生物のみ」を7〜8回分やると、生物分野を一通り復習できます。苦手な単元を集中して潰せるので、点数の向上が見込めます。