<正解>

 2/3(約66.6%)

 いっけん、あまりにも簡単に思えます。どう考えても答えは1種類しかないように思えるからです。「確率も何も、そんなの黒か白かの50%なのでは?」と。

 ですが、ここでも直感で答えると間違えます。注意深く考えて、罠にかかることなく正解に辿り着きましょう。

パターンを整理してみると……

 ふつうに考えるなら、

「片面が白ということは、それは(白白)か(黒白)のカードのどちらか。ならばそのカードが(白白)である確率は1/2だ」

 という展開になります。とても論理的な思考に見えますが、この論理にはひとつだけ穴があります。

 そこで、引く可能性のあるカードのパターンを書き出してみましょう。
 すると、下記のようになります。

 ・1枚目のカードを引いた場合
 片面の色:黒
 もう片面の色:黒
 ・2枚目のカードを引いた場合
 片面の色:白
 もう片面の色:白
 ・3枚目のカードを引いた場合
 片面の色:黒
 もう片面の色:白

 さて、上記の3パターンをよくご覧ください。
 あなたが引いたのは「片面が白」というカード1枚です。
 しかし、それぞれのカードには「表」と「裏」の区別がありません。

 つまり、あなたが引いたカードの片面が白だった場合、可能性があるのは以下の3通りです。

 ・2枚目のカードの白面を見た
 ・2枚目のカードのもう片方の白面を見た
 ・3枚目のカードの白面を見た

 引いたカード自体は、「2枚目のカード」「3枚目のカード」のどちらか2通りです。しかし……

「引いたカードの片面が白だった」という状況は3通りがありえるというわけです。

 そのうち、その裏面が白であるパターンは2通り。
 したがって、2/3(約66.6%)が答えです。

「思考」のまとめ

 確率の問題は直感を裏切られるタイプが多いので、完全に理解しきるまではモヤッとするかもしれません。
 ただ、解けたときの爽快感がミステリーを読んでいるときみたいなので、個人的には大好きです。
 まあ、学生の頃は直感で回答して間違えまくっていたので、嫌いだったのですが……。

 ・結果はひとつでも、そこに至る過程が複数ある場合は、可能性としても複数になる

(本稿は、『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から一部抜粋した内容です。)

野村裕之(のむら・ひろゆき)
都内上場企業のWebマーケター。論理的思考問題を紹介する国内有数のブログ「明日は未来だ!」運営者
ブログの最高月間PVは70万超。解説のわかりやすさに定評があり、多くの企業、教育機関、テレビ局などから「ブログの内容を使わせてほしい」と連絡を受ける。29歳までフリーター生活をしていたが、同ブログがきっかけとなり広告代理店に入社。論理的思考問題で培った思考力を駆使してWebマーケティングを展開し、1日のWeb広告収入として当時は前例のなかった粗利1500万円を達成するなど活躍。3年間で個人利益1億円を上げた後、フリーランスとなり、企業のデジタル集客、市場分析、ターゲット設定、広告の制作や運用、セミナー主催など、マーケティング全般を支援する。2023年に現在の会社に入社。Webマーケティングに加えて新規事業開発にも携わりながら、成果を出している。本書が初の著書となる。