反テロ法とは、2017年に成立したテロ等準備罪だろう。調査船団への妨害活動を念頭に置いて制定されたわけではないはずだが、シーシェパードは脅威を覚えたのだろうか。それに彼らが書いているように、経済的にも引き際と考えた可能性もある。
EEZ内で行われている令和の商業捕鯨がどんな国際法や条約に抵触するのか、具体的に聞こうと再度メールを送り、改めてインタビューを申し込んだが、以来返事は途絶えたままだ。
シーシェパードの主張は事実認識の相違もあり、納得できない箇所も多い。だが回答では、彼らは〈南極海での調査捕鯨〉を問題視していたと述べており、実際に抗議を行ったのは南極海での調査だけだった事実と符合していた。
続いて、グリーンピース・ジャパンに問い合わせると、現在、捕鯨問題に取り組んでおらず回答は難しいという返答があった。2019年の調査捕鯨の中止を機に、クジラだけでなく、広く海洋を保護していく方針に変更したのだという。
シーシェパードとグリーンピースの回答からは、両者ともに抗議活動の対象を日本が行った南極海での調査捕鯨に定めていたのがわかる。