学校選びにおいて「大学合格実績」は欠かせない要素だ。そこで、中学入学時の難易度と比較して、「出口」である大学合格実績がいい「レバレッジ」が利く中高一貫校を炙り出す独自ランキングを作成した。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾』の#18では、関西圏の中堅校を対象に、入りやすいけど難関大学が狙える学校を紹介していこう。
「レバレッジが利く」中高一貫校はどこ?
大学合格実績と入学時の偏差値を比較
「早慶上理」や「MARCH」といった上位の大学に多数の合格者を輩出しながら、中学入試の難易度はさほど高くない「コスパのいい」中高一貫校はどこか――。
そんな“レバレッジ”が利く学校を探すため、ダイヤモンド編集部では、毎年恒例となっている中高一貫校「レバレッジ度ランキング」の最新年度版を作成した。大学通信の協力の下、各学校の2024年の大学合格実績を調べ、「卒業時偏差値」を算定。これを、その学校の「中学入学時偏差値」と比較した。
ただし、24年に卒業した生徒が入学した6年前の中学入学時偏差値を比較対象とすると、その時点から偏差値が上昇した学校もあり、現在の偏差値水準から見るとお得ではない可能性もある。今も偏差値がインフレしていない、あるいは偏差値の上昇に対してより高い合格実績が期待できるような、隠れた高レバレッジ校を探す方がより好ましい。
そこで、今回は、中学入学時偏差値(18年)から回帰分析によって算出したモデルに25年の中学入学時偏差値を当てはめ、現在の水準から期待される卒業時偏差値の理論値を算出。これと実際の卒業時偏差値との差を「レバレッジ度」とし、エリアと中学入学時の偏差値帯ごとにランキングを作成した。詳細は次ページの表の見方を確認してほしい。
また、下図には、参考として首都圏の中学入学時偏差値の上昇度とレバレッジ度の相関図を掲載した。左上ほど「合格実績は高いものの難易度が下がっていて高レバレッジ」、右上ほど「難易度は上昇気味だがそれを上回る合格が期待でき高レバレッジ」といえ、いずれも“狙い目”だ。
昨年の特集(『2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾』)でも、同様のランキングを掲載しているが、今回は推計に当たり、所在地や男子校か否か、高校からの外部入学の比率に関する情報を分析に組み込んでおり、さらなる精緻化を図った。
なお、レバレッジ度の高い学校は毎年の偏差値や合格実績によって変わり得るが、実際は上位の“常連校”が存在する。また、上位の中には、「面倒見のいい」学校や、教育力は高いのに発信力が控えめな伝統校も多く存在しており、傾向をつかむには有用だ。
今回は関西圏の中堅校(偏差値50未満)のランキングを紹介する。
8位の大阪桐蔭は、京都大学に30人、大阪大学には20人もの合格者を輩出している。その他、トップテンには、京大に複数人の合格者を輩出するなど難関国立大学も狙える中高一貫校が多数ランクイン。早速次ページでランキングの詳細を見ていこう。