こうした大トラブルが起きたときの対処こそ「天日干し経営」(編集部注/筆者が唱えたJリーグの経営理念。外部への情報公開と内部の風通しの良さを基本とする)の真価が問われる。
いつでも有事対応ができるよう
トップは常に白シャツを着用
すべての情報が集まって原因を特定するまで待って会見をするのか、技術の専門家に答弁の対応をお願いするのか、はたまた弁護士に代弁してもらうのか。瞬時の判断が求められる。
私たちは、まず英国人のCEOジェームズ・ラシュトンと絶対に逃げないことを決めた。また、どこまで原因が究明できているのか、どこから原因が不明なのか、そうした真実も貴重な情報であり、すべてを天下にさらし、つまびらかにすることを覚悟した。
4日後の3月2日は外国人と行なった世にも珍しいお詫び会見となった。会見が始まる前の控室で、ジェームズらに日本のお詫びの作法を教えた。「ジェームズ、背筋を伸ばして、腰から上体を折り、頭を下げてから5秒間そのままだよ」と。