会見は、冒頭私が経緯を説明し、ジェームズ・ラシュトンともう1人のDAZNスタッフが壇上に立った。頭を下げるお詫びのスタイルに慣れていない彼らは、多少ぎこちなさはあったが、誠実に対応した。壇上では2人がお互い5秒カウントしているのがわかる。

村井 満 著
彼らの説明の趣旨は「見逃し配信を自動的に起動するコンテンツ制作ツールが、複数の試合を同時に処理し始めたが、システムの一部に不具合があったため、結果データベースの破損、さらにはプラットフォームに障害を起こした可能性がある」というものだった。逃げない誠意は十分伝わったのではないかと思う。
大きなトラブルで幕を開けたDAZNではあったが、その後多くのファンに支えられ、改善を重ね今日に至っている。ネットでは彼らの迅速で誠実な姿勢を評価するコメントさえ見られた。今ではDAZNはサッカー中継にはなくてはならない存在にまでなったのだ。「天日干し経営」は有事の際にその真価が問われるものだ。
私はJリーグ在籍中の8年間に着用したワイシャツは、すべて白シャツだけで通した。それは、いつ勃発するかわからない有事の際にいつでも会見ができるようにという覚悟そのものだった。