この行為を、親側もやってしまいがちです。

 子が女の場合「女の子が生意気だと結婚できないよ」「女の子はそんなに勉強しなくてもいい」などと、周囲の大人からいわれないことはまずないといっていいでしょう。

 子が男なら、親を凌駕するような発言をすると「世間のことをろくに知りもしないくせに、何を甘いこと言っているんだ」「おまえにそんなことができるわけがない」と頭から否定されてしまったりします。

 大人の言動を観察するうちに、子どもたちの中には、そんな大人の言動に対して「何十年も生きているわりに、不条理なことを言う。非合理的だ」などと考え始める子がでてきます。

 親に洗脳されることなく、むしろそんな親を心の中でダサいと思ってしまう。

 そういう子は自己肯定感が強いともいえ、「親は親、自分は自分」と考えられるので、心配はいらないでしょう。親の言動によってつぶされることはあまりないでしょうから。

 一方で、いわゆる素直で人の意見を聞きやすい子、また自己肯定感の低い子では、自分が間違っているのかと思って萎縮してしまうおそれがあります。

 そして親からコントロールされてしまう。「いい子」ほど、大人に支配されやすく、親から可能性をつぶされてしまうかもしれないというのはなんとも悲しいことです。